臓器移植の話が出た時はいつも、俺のをあげるのにと言っておりました。

提供ご家族:60代男性の奥様より

私の主人は一年十ヶ月の病気との戦いでしたが今年二月になくなりました。肺癌でした。

手術、抗癌剤の副作用、入院以外は外来で診ていただいていたので家での生活が主でした。何をしてあげてもいつも「ありがとう」の言葉が返ってきました。主人が病気と言う事を忘れる程に元気でした。何でも食べてくれました。

テレビ・新聞等で臓器移植の話が出た時はいつも、俺のをあげるのにと言っておりました。  亡くなってから臓器提供のお話があった時に、主人との会話を思い出し、角膜を使えるならばと思いお願いしました。幸いにも二人の方に使っていただいて、今は主人のかわりにこの世で見えているのだなあと思うと嬉しい限りです。家族と喜んでおります。

今は時々私も通院しておりますが、主人に付いて病院通いをした時のことが懐かしく、御夫婦でいらっしゃっている方を見かける度に羨ましく思う時もあります。車椅子を押してあげたかったなあと思う今日この頃です。

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