私の夫は10年前の夏に突然亡くなりました。その当時はとっても急な事だったので悲しむ間もなく、病院側から相談を受けました。しかしあまり深く考えられずに、ただ人の役にたてるならと思い、献眼を決意しました。

その後たまに、献眼を受けた人達はどうしているだろうと、ふと思う事はありましたが、私の3年間は悲しく泣いてばかりで辛い毎日を送っていました。

でも3年が過ぎた頃、だんだん前向きな気持ちが出てきて、外へ出る事も多くなり、友達もたくさん増えて、周りの人達に支えられ、気持ちも明るくなっていきました。

現在10年目に入り、再婚を考えるようになり、日々前進しています。

今、献眼をして良かったと思う事があります。それは私の身近な人に肝臓移植を待っている方がいるからです。その人の話を聞くと、毎日の生活が大変で、常に病気と闘っているそうです。身近な人の話を聞いていると、他人ごとではないという事が分かり、その人の気持ちを思うと、今では献眼をしてとても良かったと思っています。