丁度この秋で主人が亡くなって7年になります。一日を大切に、過ぎた日を思いながら一人で生活して参りました。感謝の気持ちで過ごしています。忘れかけていた主人の献眼の事、お世話になったホスピスの皆さんの事、遠い記憶が蘇って参りました。
私は主人の体に再びメスを入れる事を拒みましたが、一人娘が「先生、父は人様のお役に立つことを大切にする人ですからお願いします」と答えました。
後日病院から、20才代の女性の方が主人の角膜を使っていただき、視力を取り戻されたとの話をうかがい、お役に立てたのだと思い、涙がとまりませんでした。
昨年の東北の震災で、尊い命が沢山失われました。誰にも予期出来ない人の命の尊さを考えさせられました。田舎暮らしを愛した主人も、あの優しい瞳で私のことを見守ってくれていると思います。