最後に私の意志で献体すると判断しました。

提供ご家族:70代男性の奥様より

主人の叔母が金沢の病院へ献体をしています。主人が人様のお役にたち、私もまだ生きているような何か尊い心を見るような気持で生活をしています。私の選んだ男に間違いはなかったと、心の中で自慢をしていますが、私と子供だけが知っている事です。他の方には言ってはおりません。

でも私は家庭医に献体をするつもりです。先生に手配して下さいと頼んであります。子供達にも言ってあります。遺言書にも書いておきました。子供、孫共に医療関係です。

私も体がちょっと弱い方です。いつも先生に助けられています。最後に私の意志で献体すると判断しました。

主人の入院は短いのですが、その間の先生、看護師様達のお心遣いに心から感謝しています。看護師様にお下の後始末をしていただきながら、「なあ、お父ちゃん、若い時はよく働いたのに今はフニャフニャやな」と大笑いしたり、洞窟から出てきた大山に「ダイヤモンドがあったら全部私がするんですが、どうもなさそうなので看護婦さんに頼みます」と言って先生と大笑いしたり、婦長さんに、「主人の人格がだんだんなくなってくようでとても悲しいです」と言った時、少し時間をおいて、「でも奥さん、夫として妻への尊厳はありますよ」と励まして下さいました。

何もかも思いを込めて献眼してうれしいのです。

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