愛する人を亡くされたご家族が、献眼について申し出るのは、大変困難な状況だと思います。しかし、患者様ご本人は、献眼を希望されていたかも知れません。
最期の意思を汲み上げることができるのは、医療従事者の皆様です。患者様の献眼に関する意思を確認してください。
患者様が献眼を希望される場合、アイバンクへのご連絡をお願いいたします。医学的な情報をいただきコーディネーターが迅速に対応致します。ご理解とご協力のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。
ドナー適応基準
当アイバンクに提供され移植に用いられる角膜・強膜は、以下の使用禁忌に該当しない提供者によって献眼されたものでなければならない。
使用禁忌
- ・原因不明の死
- ・細菌、真菌、ウイルス性の全身性活動性感染症(敗血症など)
- ・HIV抗体、HTLV-1抗体、HBs抗原、HCV抗体陽性
- ・クロイツフェルトヤコブ病およびその疑い
- ・亜急性硬化性全脳炎、進行性多巣性白質脳症等の遅発性ウイルス感染症
- ・活動性ウイルス脳炎および原因不明の脳炎、進行性脳症
- ・Reye症候群
- ・原因不明の中枢神経系疾患
- ・眼内悪性腫瘍(網膜芽細胞腫、癌転移眼)
- ・白血病、悪性リンパ腫(Hodgkin病、非Hodgkinリンパ腫)
注意事項
- 以下の項目に関し、提供者家族へ問診を行うこと
- ・クロイツフェルトヤコブ病およびその疑い例
- (ヒト成長ホルモン投与、硬膜・角膜移植歴、1980年以降の海外渡航歴の有無など)
- ・ウエストナイル病(死亡4週間以内の海外渡航歴、帰国後の発熱の有無など)
- ・SARS(流行地域への海外渡航歴の有無など)
- ・狂犬病(1998年以降の海外渡航歴の有無、海外での哺乳動物による咬傷受傷歴の有無など)
- ・プレセンタ注射歴(ヒト胎盤エキスの注射歴の有無など)
厚生労働省健康局”眼球のあっせんに関する技術指針”に準拠(H24.4.1 一部改正)
提供までの流れ
医療従事者 | コーディネーター |
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この時点で聞きたい情報
- 連絡者の氏名、所属
- 患者様の氏名、性別、年齢、患者様の状態、現病歴(特に眼科的疾患の有無)、感染症の有無(B・C型肝炎、HIV、HTLV、梅毒、敗血症等)
医療従事者 | コーディネーター |
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※検視の内容によっては、ご提供頂けない場合があります。
医療従事者 | コーディネーター |
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この時点でのお願い
- カルテを見せていただきながら正確な情報、検査データ等を確認させていただきます
- ご家族のご様子、どなたがいらしているのかもお教え下さい
- インフォームドコンセント(IC)のための場所をお貸し下さい
- 主治医の先生もしくは看護師さんにICへのお立ち会いを依頼する場合があります
医療従事者 | コーディネーター |
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提供後の対応
提供協力施設に対して
- ・法的に保管をお願いしたい書類を提出します
- ・移植の結果をご報告します
- ・提供者家族への対応についてご報告します
提供者家族に対して
- ・可能であればお通夜、もしくは告別式に参列させていただきます
- ・当アイバンクからの感謝状を贈呈いたします
- ・移植の結果についてご報告いたします
- ・移植者からお手紙等お預かりした場合、ご報告いたします
- ・厚生労働大臣からの感謝状を贈呈いたします
解剖・検死・献体について
病理解剖のある場合
病理解剖がある場合もご提供いただけます。解剖が予定されている場合は、担当される病理医に、解剖の前と後のどちらに処置をさせていただけるかをご相談させていただきます。摘出処置に必要な時間は、1時間くらいです。
検視(死)のある場合
検視(死)のある場合は、検視(死)が優先されます。死後10~12時間以内であれば、ご献眼いただけます。その前に検視(死)が終了し、警察から了解を得られた場合、対応させていただきます。検視(死)が長引く場合や警察側とのやりとりの中で、ご提供いただけないこともございます。
献体も希望されている場合
献眼とともに献体をご希望の方がいらした場合、片方を献体に、もう片方をアイバンクへのご提供となります。ご家族の皆様とご相談の上、意思尊重に努めさせて頂きます。
眼科医の皆様へ
移植後の報告書
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